《季節のほうじ茶》

10月「みなみさやか」

2023年9月28日公開

丸八製茶場が毎月数量限定で発売している「季節のほうじ茶」は、
さまざまな品種の茶葉を、その個性が生きる焙煎で仕上げた焙じ茶です。

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花のように甘く、
ほのかにエスニックな香り。

10月の「季節のほうじ茶」は、「みなみさやか」です。「みなみさやか」という品種の特徴は、何といっても香りです。加工を行う前の生茶(なまは)の状態でも香るクチナシやミルクの香り。その奥には、ほのかにシナモンのスパイス感が感じられます。今回は、浅い焙煎でその特徴を残しながら、さらに芳ばしい甘さが引き立つように製造しました。

また、今回の「みなみさやか」も、9月の「季節のほうじ茶」「香駿」と同様に半発酵で仕上げています。摘み採った茶葉を適切な環境に置き、酸化発酵させると、茶葉は甘い香りを放ちます。この工程により、より華やかな香りを引き出すことができるのです。

こうして、さまざまな工夫を行うことで茶葉そのものから醸し出される甘い香りのお茶は、すっきりとして飲みやすく、秋らしい落ち着いた風味を持つものとなりました。

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パッケージを開けた瞬間に広がる甘い香りは、ギフトにもぴったり。優雅な曲線を描く大ぶりな茶葉も、味わいへの想像力を掻き立てます。

お勧めはお湯出しです。肌寒さを感じる日には、熱いお湯でいれた「みなみさやか」の濃厚な花のような香りを、じっくりと味わってください。暑さが残る日は水出しで。爽やかな甘さを楽しむことができます。

「みなみさやか」を飲みながら読みたい、
ある世界の花のお話。

「季節のほうじ茶」をご紹介するこの記事では、その味わいから連想される本をご紹介しています。今月の本は、ジェームズ・サーバーさんが書いた絵本を村上春樹さんが訳した『世界で最後の花』です。

描かれているのは、未来のお話。世界では相変わらず戦争が続いていて、ある大きな戦争の後、文明は破壊され、町も都市もなくなり、人間は動物より惨めな存在になり、最後の花が一つだけ残りました。

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ジェームズ・サーバー 作、村上春樹 訳『世界で最後の花』ポプラ社。1939年の第二次世界大戦開戦時に書かれた作品が、2023年に新訳で復刊されました。

その最後の花は、人間に何かを思い出させることができました。そして、その花をきっかけに、愛が生まれ、家族が生まれ、文明は徐々に取り戻され、都市が生まれ、芸術が生まれます。そうしているうちに、再び戦争が生まれました。

何度も何度も繰り返される戦争という破壊と、そこから立ち直ろうとする人類の歴史。この絵本で描かれていることは、今、この瞬間にも、この世界で起こっていることと変わりありません。

上質なスパイシーさと、深みのある甘味が心地よい「みなみさやか」は、じっくりと思索にふける秋の読書にぴったりです。希望を求めながらも、その希望とは相反する状況をつくり出してしまう世界の難しさ。そこに安易な回答を与えないこの本を、あなたはどう読み解くでしょうか。

*「みなみさやか」は2023年10月1日より発売です
*2023年10月の期間・数量限定商品です。
 限定数に達した場合は販売終了とさせていただきます