始まりの、noma

2021年5月1日公開

くらしを楽しむことは、旬を楽しむこと。
焙じ茶のさまざまな旬を、丸八製茶場からご紹介します。

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焙じ茶の新しい旬を探して。
新シリーズ「noma」誕生。

お茶の旬と聞くと、5月の新茶の季節を思い浮かべるかたも多いのではないでしょうか。丸八製茶場の焙じ茶は、一番摘みのお茶を使っているものが多いため、わたしたちにとっても新茶の季節は楽しみな「旬」。毎日のように届く契約農家さんのお茶の味を確かめ、選び、これからの一年を考える時期でもあります。
丸八製茶場の新シリーズ「noma」(ノマ)は、そんなときめく「旬」の感覚を、一年中楽しむための焙じ茶です。「noma」=「の間」。春夏秋冬だけでなく、その間にある繊細な季節の移り変わりを楽しむ。そんな時間と空間を、大切な誰かと共有する。そんな「間」を思い浮かべながら、その時期だから楽しんでいただきたい香りと味の焙じ茶をつくりました。

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「noma」のパッケージの色も、季節によって変わっていきます。

パッケージにあしらわれているのは、書家の池多亜沙子さんに書いていただいたモチーフです。今回の「noma」のテーマは「始まり」。あえて文字ではなくモチーフを選んだのは、そこから感じるものを、お客様に自由に楽しんでいただきたいから。こだわりの焙じ茶とともに、季節で変わるパッケージも、どうぞあなたらしく、楽しんでください。

大きく変わる季節の間に、
力をたくわえる時間を。

3月13日に発売した今回の「noma」。メインで使用されているのは「静7132」という品種の茶葉です。「静7132」には「クマリン」という香りの成分が含まれており、これは桜の葉に含まれているのと同じもの。桜餅を食べたときに感じる、かすかに苦味のある甘い風味が、この香りです。この「静7132」と、やや甘い風味を持つ「はるもえぎ」をブレンドし、香りが引き立つよう、浅く焙煎しました。

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季節を感じながら、ゆったりとしたひとときを。

暖かい日と肌寒い日が交互に訪れるこの季節。気候の変化もさることながら、くらしの中でもさまざまな変化が起こることの多い時期です。体も心もせわしない毎日の中、ほっとお茶を飲む時間に、季節を感じる香りで自然に思いを馳せ、力をたくわえてください。

終わりと始まりの間。
日本ならではの「旬」。

桜の季節が1年の区切りとなる地域は、世界的に多くはありません。ピンク色に染まる景色に、ほのかな切なさと始まりへの期待を感じるのは、日本人独特の感性ともいえます。
実は「桜の香り」は、桜の花から感じられるものではないのです。「クマリン」は桜の花より葉に多く含まれます。しかもそのままだと香りが弱いため、桜餅の葉など香りを強く出したいものには、前の年の桜の葉を塩漬けしたものを使っているのだとか。

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桜の季節は意外と短いもの。そんなはかなさも、「旬」が愛されるゆえんかもしれません。

今回の「noma」の香りは、桜の花でも葉でもなく、茶葉からくるもの。でもその香りからこの季節ならではの何かを感じ取ることができるのは、わたしたちが長い時間をかけて「旬」を楽しもうとする感性を培ってきたからなのでしょう。

*2021年5月16日、今季のnomaはご好評につき終了いたしました。ありがとうございました

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