こだわりのいれ方
2021年9月6日公開
丸八製茶場の定番商品「献上加賀棒茶」。
「お店で飲むのと、家でいれるのでは全然違う!」というお声をいただくことがよくあります。
直営店舗の喫茶「一笑(いっしょう)」・「syn(シン)」・「実生(みしょう)」のスタッフに、
こだわりのいれ方を聞きました。
実は店舗ごとに異なる
「献上加賀棒茶」のいれ方。
茶葉6g(大さじ約3杯)、沸騰したお湯260mlで25秒。「献上加賀棒茶」のパッケージに書かれている「おいしいいれ方(二人分)」です。
今回、さらにこだわった「献上加賀棒茶」のいれ方について、丸八製茶場の直営店舗で喫茶がある「一笑」・「syn」・「実生」のスタッフに話を聞いたところ、それぞれ違う回答がありました。
お客様が入られる席数や提供の方法など、それぞれ違う環境に合わせて変化した「献上加賀棒茶」のいれ方は、ご自宅でよりおいしく「献上加賀棒茶」を楽しむときの参考になるかもしれません。
お茶をいれるためのスタートは、どの店舗においても「お湯をしっかり沸騰させる」ところからです。煎茶には一度沸騰させたお湯を70~80度に冷ましたお湯がよいとされますが、焙じ茶をおいしくいれるには、沸騰させた100度のお湯がベストです。
日本の水道水はほとんどが焙じ茶をいれるのに適した「軟水」ですので、そのままお使いいただいて問題ありませんが、しっかりと5分間沸騰させて、カルキを飛ばしておきましょう。市販の水を使う場合は、「軟水」と書かれたものがお勧めです。
また、「献上加賀棒茶」をはじめとした丸八製茶場の焙じ茶は、煮出すことはせずに、短時間でさっといれることをお勧めしています。パッケージのレシピやこの記事のいれ方を参考に、焙じ茶の繊細な味と香りを楽しみましょう。
二人分をおいしくいれる。
1秒にこだわる「一笑」の「献上加賀棒茶」。
茶葉8g、220-240mlのお湯で24秒浸出(二人分)。基本のいれ方に近い「一笑」のレシピも、こだわって開発されたもの。使う急須の容量に茶葉とお湯の量を合わせ、それにベストな浸出時間を検証した結果、基本のレシピより1秒短い浸出時間となりました。
お店では、茶葉が浸出しすぎないよう、急須でお茶をいれた後、別の急須に移し替えて、お客様にお出ししています。使う急須はどちらも、あらかじめ温めておいたものです。
ご家庭ではそのまま器にいれることが多いかもしれませんが、せっかく熱々のお湯でいれた焙じ茶をそのままの温度で味わうために、使う急須や器を温めておくと、よりおいしく召し上がることができます。
一杯分を、好みの秒数で。
二煎目も楽しみやすい「syn」の「献上加賀棒茶」。
茶葉3g、110-120mlのお湯で20~30秒浸出。一人で一杯を飲み切るスタイルで「献上加賀棒茶」をお出ししている「syn」のレシピです。
ちょうど器に一杯分のこのレシピは、一人でお茶を楽しみたいときに便利です。二人分の分量でいれて急須の中に残ったお茶が浸出しすぎてしまうことも、別の器にお茶を取っておいて冷めてしまうこともありません。
お店で出すのは基本的に一煎目のみですが、ご自宅で楽しむ場合は、また違う味わいを楽しめる二煎目もお勧めしています。「香りはやはり一煎目ですが、焙煎の味がより強く出るのは二煎目かもしれません」。
二煎目を楽しむには、茶葉が必要以上にお湯に浸かったり、蒸れすぎたりしないことが大事です。一煎目をきちんと出し切ることはもちろん、二煎目のお湯をいれるまで、ふたをずらして蒸れを防いでおきましょう。
茶葉を贅沢に使う
「実生」の「献上加賀棒茶」。
茶葉を標準レシピの2倍以上使う「実生」の「献上加賀棒茶」。茶葉13gにお湯は250ml、10秒でさっと浸出します。席数の多い「実生」では、お客様に少しでも早くお茶をお出しするため、このレシピを採用しています。
迅速な提供にこだわる「実生」のスタッフからは、「献上加賀棒茶」をいれるのにぴったりの道具を聞きました。「急須は茶こしつきのものが、やはり使いやすいでしょう。デザインの好みはあるのですが、横手のものが、やはり使いやすいですね。ご家庭だと同じ急須で別のお茶をいれることも多いと思います。釉薬のかかったものが、においがつきにくく、繊細な『献上加賀棒茶』の香りを楽しむのにはいいと思います」。
また、「献上加賀棒茶」を飲む器についても話を聞きました。「『献上加賀棒茶』の香りが逃げないよう、器は背の高い、若干細めのものがお勧めです」。
それぞれの店舗で使われている器は、この条件を満たすという点では共通しているものの、基本的にはさまざまです。そのセレクトにも店舗ごとに個性があるだけでなく、同じお店で同じメニューを注文してもお客様ごとに違う器になることも。
「その日の気候はもちろん、お客様の雰囲気や、時には服装に合わせて器をお出しすることもあります。出した器を気に入っていただけると、思わずうれしくなります」。レシピはさまざまの3店舗ですが、この点では同じ想いでした。
一笑(いっしょう)
076-251-0108
石川県金沢市東山1-26-13
https://issho.kagaboucha.com/
syn(シン)
076-471-8112
富山県富山市明輪町1-220 きときと市場 とやマルシェ内
https://syn.kagaboucha.com/
実生(みしょう)
0120-42-4251(フリーダイヤル)、0761-74-2425
石川県加賀市動橋町タ1番地8
https://misho.kagaboucha.com/
*新型コロナウィルスの影響により、営業時間の変更が多くなっております。
お出かけの際は、各店舗のWebサイトにてご確認くださいますようお願いいたします。