《TEAWORDS No.2》

「番茶」の真実に迫る

2025年5月27日公開

お茶好きな人は知っているけれど、初心者にはちょっとハードルが高い、お茶用語。
「TEAWORDS」では、焙じ茶についての言葉を中心に、お茶にまつわる用語をご紹介します。
第二回は、人によってイメージが違う「番茶」のお話。

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いちばん-ちゃ【一番茶】
first crop of tea

その年初めて摘み採った茶葉を製茶したお茶のこと。「一番茶を使用した煎茶」のように、この時期に摘み採られた茶葉そのもののことを指すことも。二番茶以降の茶葉に比べて栄養が豊富で、テアニンと呼ばれる旨味成分が多く、おいしいとされることが多い。そのため比較的高い価格で販売されている。

「新茶」も、その年初めて摘み採った茶葉のこと。「一番茶」と「新茶」は、ほぼ同じ意味。新茶の煎茶は、茶葉を摘み取った後すぐに製茶し、4月中旬~5月に発売され、旬のお茶としてもてはやされる。なぜか、一番茶でつくり、秋に発売する焙じ茶を「新茶」と表現することは少ない。

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【例文】
「献上加賀棒茶」をはじめとする丸八製茶場のほとんどの焙じ茶は、一番茶を使ってつくられている。

ばん-ちゃ【番茶】
bancha, coarse tea

一番茶の収穫の後に成長した茶葉のこと。またそれを使ってつくられたお茶。一番茶の収穫後に摘み採ったものを「二番茶」、二番茶の収穫後に摘み採ったものを「三番茶」という。

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一番茶に重きを置く傾向から、番茶は「ふだん使いのお茶」とされることが多い。また、番茶=焙じ茶というイメージがあるが、必ずしもそうではなく、地域によっては番茶を煎茶として仕上げたものを「番茶」と呼ぶ地域もある。また、京都では春や秋に茎ごと刈り取った大ぶりの茶葉を揉まずに乾燥させ、炒ったものが「京番茶」として親しまれている。

「番茶」は、あくまで茶葉が摘み採られた順番につけられた名前。「焙じ茶」は、焙煎という製法で仕上げたお茶。「番茶」と「焙じ茶」が正確には違うものであることは、ぜひご記憶を。

【例文】
二番茶や三番茶などの「番茶」は、一番茶とは含まれる成分が異なるため、味わいの魅力が異なる。

にばん-ちゃ【二番茶】
second crop of tea

その年の2回目に摘み採った茶葉、あるいはその製品。一番茶よりテアニンは少なく、カテキンが多く含まれる。丸八製茶場では「ほうじたて」、「深炒り焙茶 BOTTO!」などに二番茶を使用しており、その独特の味わいの人気は高い。

ばい-せん【焙煎】
roasting

茶葉を高温で加熱処理すること。水や油を使わず、加熱乾燥させること。主に風味や香りを引き出すために行う。釜の中に熱した砂と原料を入れて外側から加熱する方法もあるが、丸八製茶場では独自に開発した遠赤外線セラミックバーナーを使用。コーヒーのように直火で焙煎することはあまりない。

【例文】
焙煎をすることで芳ばしい香りが生まれる。

しん-のう-えん-てい【神農炎帝】
Shennong

古代中国を治めていた半神半人の皇帝。お茶を発見したという伝説が残っている。病で苦しむ民を救うため、医療の知識を広げるべく、野生の植物の味や属性で薬草と毒草を選定していた神農炎帝は、一日に70回まで毒気にあたることもあったが、毒素をお茶の葉で解毒していたという。お茶の力で120歳まで生きたとされるが、断腸草の毒にあたった際に茶が近くになかったため、亡くなってしまう。お腹は透明で、臓器が透けて見えたとか…?!

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献上加賀棒茶

献上加賀棒茶

ほうじたて

ほうじたて

深炒り焙茶 BOTTO!

深炒り焙茶 BOTTO!