《TEAWORDS No.1》

お茶の言葉、ことはじめ

2024年9月10日公開

お茶好きな人は知っているけれど、初心者にはちょっとハードルが高い、お茶用語。
「TEAWORDS」では、焙じ茶についての言葉を中心に、お茶にまつわる用語をご紹介します。
第一回は、間違いやすいお茶用語と、お茶と関連しているといわれる慣用句について。

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すい-しょく【水色】
liquor color, color of liquor

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お茶をいれたときの色。湯飲みやカップなどに注がれたお茶の色のこと。お茶に関する文章の中で「水色」が出てきたら、意味するのは淡いブルーの「みずいろ」ではなく「すいしょく」の可能性が高いので注意が必要。

日本茶の品評会では品質を評価する際の審査項目の1つでもある。煎茶、深蒸し煎茶、玉露、焙じ茶など、いろいろな種類のお茶があり、よいとされる水色は異なる。丸八製茶場では、にごりがない透明感のある水色が品質のよい焙じ茶と判断している。

【例文】
鹿児島から届いた今年の新茶は、旨味や甘味だけでなく、美しい水色が特長だ。

ほうじ-ちゃ【焙じ茶】
houjicha, roasted green tea

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煎茶や番茶などを強い火で焙煎したもの。独特の高い香りを持ち、煎茶よりもさっぱりとした味わいが楽しめる。香りと味わいを引き出すには、熱湯でいれるのが好ましい。「献上加賀棒茶」をはじめとする丸八製茶場の多くの焙じ茶は、一番茶を使用。

よく焙じ茶と番茶を混同することがあるが、焙じ茶は「焙煎したお茶」のこと、番茶は「新芽ではない、遅い時期に成長した葉を摘み取るお茶」のことをいう。

歴史的に、その年の5月に初めて収穫されるお茶を一番茶として煎茶などに仕上げ、一番茶ほどの品質が出なかった二番茶、三番茶を焙煎することが多かった。そのため、焙じ茶といえば番茶のことという誤解が生まれるようになった。

逆も然りで、番茶というと焙煎したお茶を想像しがちだが、「二番茶の煎茶」のように番茶の煎茶も存在する。

【例文】
焙じ茶をいれているときの芳ばしい香りは、何とも言えず贅沢だ。

めちゃ-くちゃ【芽茶苦茶】
messed up

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「芽茶苦茶」は「滅茶苦茶」や「めちゃくちゃ」の語源という説がある。

「芽茶」は、お茶の仕上げ加工の段階で新芽を選別し、お茶にしたもの。芽茶では、はじめにぬるめのお湯を注ぎ一煎目で甘味を楽しみ、少し熱いお湯でいれた二煎目で渋味を、熱湯でいれた三煎目で苦味を楽しむのがよいとされる。

「芽茶苦茶」とはこれを知らずに一煎目から熱湯を注ぎ、せっかくの甘味を台無しにして苦々しい味のお茶にしてしまうこと。転じて、度が過ぎていることを表現するときにも使われるようになった。

「芽茶」をはじめ、一般的に煎茶は熱湯でいれない方がよいとする場合が多い。しかし、丸八製茶場の煎茶のティーバッグは気軽に、そして手軽にお茶を楽しんでもらうことがコンセプトのため、熱湯でいれてもおいしい商品設計になっている。

【例文】
家の近くで滅茶苦茶にかわいい猫を見かけたために遅刻をしてしまい、今日の予定が滅茶苦茶になった。