《季節のほうじ茶》

5月「おくみどり」

2023年5月1日公開

丸八製茶場が毎月数量限定で発売している「季節のほうじ茶」は、
さまざまな品種の茶葉を、その個性が生きる焙煎で仕上げた焙じ茶です。

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風のような爽やかさの中に、ほのかな甘さ。
「萎凋(いちょう)」で発見した新しいバランス。

「おくみどり」は、すっきりと爽やかな香りと、抹茶の原料に使われるほどのまろやかな味わいが特徴の品種です。今回の「季節のほうじ茶」は、鹿児島県の生産者と丸八製茶場で、「おくみどり」の「萎凋」に挑戦しました。

「萎凋」とは、摘み取った茶葉を適度に萎れさせることで、独特の香りを引き出す製法です。一言に「萎凋」と言っても、その時間や方法によって香りの出方は変わります。今回は、香りの出方を追求するため繊細な香りの差にこだわり、幾度となく試作を行い、理想とする仕上がりに辿り着きました。

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「萎凋」は、日本茶の新しい可能性として注目されている手法です。「おくみどり」からはどんな香りが生まれたのでしょうか?

あまり萎凋に時間をかけすぎると、紅茶のような香りが強くなり、「おくみどり」ならではの茶葉の香りや旨味が失われてしまいます。今回目指したのは、「おくみどり」の爽やかな香りを邪魔しない、ほのかな甘い香りでした。焙煎は、繊細な調整を重ねて出来上がった茶葉の個性を引き出すため、浅めにしています。

「おくみどり」が育った山の景色が思い浮かぶ
希望にあふれた朝のお話。

4月までの「季節のほうじ茶」では、お茶に合う音楽をご紹介していましたが、今月からは、お茶の味から連想される本をご紹介していきます。

『あさになったのでまどをあけますよ』は、絵本作家 荒井良二さんの絵本です。太陽がのぼり、朝がきて新しい一日がはじまる。毎日の新鮮な喜びを描いたこの絵本を、お子さまと一緒にご覧になった方も多いかもしれません。

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荒井良二『あさになったのでまどをあけますよ』偕成社。力強いタッチと繊細な色使いの絵は見応えがあり、言葉と共に1ページ1ページをじっくりと鑑賞したくなります。

大都市を思わせる街の賑やかな騒音、大きな川に浮かぶ船の汽笛、カラフルな花々に彩られた熱帯に吹く潮風など、描かれている場所の音までも聞こえてきそうな絵は、ずっと見ていてあきません。一日がはじまるうれしさに満ちた言葉は、希望いっぱいの子どもの頃の心を思い出させてくれます。

「おくみどり」は、太陽が降り注ぐ鹿児島県霧島市の山あいで育てられた茶葉です。生産者は、三代に渡ってお茶づくりを続ける福満さん。福満さんの茶園の景色は、まるでこの絵本に出てくる大きな山のよう。日々の努力を惜しまず、新しい挑戦を楽しみつくり上げられたお茶は、福満さんの人柄が感じられる優しい味です。

萎凋のバランスにこだわった「おくみどり」の風味は、水出しで際立ちます。風薫る5月、きらきらと輝く日の光と共に茶園に訪れる爽やかな朝を思い浮かべながら、「おくみどり」を楽しんでみてください。

*「おくみどり」は2023年5月1日12時より発売です
*2023年5月の期間・数量限定商品です。
 限定数に達した場合は販売終了とさせていただきます

おくみどり

おくみどり