nomaと、時節の食。
2025年1月16日公開
くらしを楽しむことは、旬を楽しむこと。
焙じ茶のさまざまな旬を、丸八製茶場からご紹介します。
今回は、2025年1月25日発売の「焙茶noma(ノマ)」についてです。
「焙茶noma」と楽しむ、
春へ向かう日本の風物。
「焙茶noma」の「noma」という名前には、人と時間との「間(マ)」を豊かにしたいという想いが込められています。今季の「焙茶noma」は豊かな焙煎香と穀物感のある甘味が特長。寒さが厳しいこの時期に、優しく体を温めてくれます。
じんわりと心に染み入る香り、体が芯から整うようなほっとする味わい。寒さに閉じ込められた冬を、温かく、そして春への日々の移り変わりとともに楽しむための焙じ茶です。
平安時代から用いられてきた「二十四節気(にじゅうしせっき)」では、1年のはじまりは立春からと考えられています。まだまだ寒さが続くこの時期ですが、暦の上では春。少しずつ春に向かって雪や氷が解け、草花の芽がだんだんとふくらんでいきます。
時節に合わせたいろいろな行事や食べ物を楽しみ、新しい春を迎えるための用意をしているのは、人間も同じ。今季の「焙茶noma」は、その時節の行事にいただく食べ物との相性がぴったりです。今回は、この時季ならではのさまざまな行事にちなんだ食べ物と、「焙茶noma」の組み合わせをご紹介します。
邪気をはらい、幸運を呼ぶ。
真っ白な豆腐と「焙茶noma」で、
体を温める。
2025年の2月2日の「節分」と、2月3日の「立春」に食べる豆腐を「立春大吉豆腐(りっしゅんだいきちどうふ)」といいます。古来より白い豆腐には邪気をはらうほどの霊力が宿るといわれていました。そのため、二十四節気の年末にあたる「節分」には前年の穢れを祓うために、その次の「立春」には健康な体に福を呼び込むために、豆腐を食べる習慣があったそうです。
今年の「節分」や「立春」の食卓に、豆腐で一品。シンプルで体が温まる湯豆腐はいかがでしょうか?隣には、温かい「焙茶noma」を。 まずはポン酢や薬味を加える前に、そのまま豆腐を一口。お茶との組み合わせを楽しんでください。「焙茶noma」の炒り豆のような風味が、豆腐の、豆本来の濃厚な味わいを深く感じさせてくれます。
お勧めの豆腐は、しっかりとした食感と味わいがある木綿豆腐です。木綿豆腐はたっぷりと水分を含んだ絹豆腐よりも豆腐の味が凝縮され、濃い味わいがあります。
「節分」といえば豆まきや恵方巻きですが、豆腐という身近な食べ物にも福があるのは、うれしい驚きですね。大掛かりな準備をしなくても楽しめる風習は、伝統として残しておきたいものです。次は、同じ「節分」に食べる、甘いお菓子のご紹介です。
福を呼び込む「うぐいす餅」を、
芳ばしい香りの「焙茶noma」と。
1年のはじまりである「春分」につくられたお菓子は「立春朝生菓子(りっしゅんあさなまがし)」といい、とても縁起のいい食べ物とされています。もともと「朝生菓子」は、その日のうちに食べるお菓子のことで、草餅、大福、団子など、求めやすいものがほとんど。では、せっかくの「立春」にかけて、「春告鳥(はるつげどり)」の別名を持つウグイスを模した「うぐいす餅」はいかがでしょうか?
「うぐいす餅」は求肥にこしあんを包み、きな粉をまぶしたお菓子です。レモンのようなふっくらとしたかたちは、ウグイスの愛らしい姿を模しています。周りにまぶされたきな粉の原料は青大豆。美しい色合いから、「青きな粉」や「うぐいす粉」と呼ばれています。きな粉の香り高い風味と、「焙茶noma」の柔らかな旨味と芳ばしい香りが、よく合います。
立春にいただく食べ物は、季節のためか、保存のきく乾燥豆やお米など、穀物を材料に使ったものが多く、「焙茶noma」と相性のよいものがたくさんあります。次は、お米を使った食事のご紹介です。
「いなりずし」の旬は、2月。
「焙茶noma」と、
旨味たっぷりの組み合わせを楽しむ。
誰もが食べたことがある「おいなりさん」。もともとは稲荷神社のキツネに供えるお供え物でした。2025年は「初午(はつうま)」にあたる2月6日が、そのお供え物をする日です。711年(和銅4年)の2月の最初の午の日に、穀物の神様が稲荷山(伊奈利山)に降りたことが由来だとされています。キツネは稲荷神の使いで、油揚げが好物。そのため、穀物である米を、キツネが好きな油揚げに包み、献上したのだとか。
初午の日に食べるいなりずしは「初午いなり」といいます。「焙茶noma」は、いなりずしのお米の風味とよく合い、油揚げの油っぽさと酢飯の酸っぱさをさっぱりとリセットしてくれる爽やかさがあります。よりお米の旨味が引き立つ、この時季ならではの組み合わせです。
二十四節気は、太陽の光が届く量の変化に基づいた暦です。自然と共に発達してきた農耕文化には欠かせないものであると同時に、「立春」「春分」「夏至」など、二十四節気にちなんださまざまな行事は今でも私たちの日常の中に息づいています。
ふだん何となく過ごしてしまう1日が、その意味を調べてみると、特別な1日であることに気づく。そうして、その時期ならではの風物を楽しむことができたら、日々が豊かに感じられそうです。二十四節気では2月が1年のはじめ。「焙茶noma」と、季節の風習を大切にする1年を、はじめてみませんか。