大福茶
2021年10月22日公開
ご自宅用としてはもちろん、ギフトとしても喜ばれる丸八製茶場の
「大福茶(おおふくちゃ)」。おいしさはもちろん、
華やかな新年を迎えるのにふさわしい「美しさ」にこだわってつくられています。
健やかな1年を願って
いただく「大福茶」。
年のはじめに、その年の無病息災を願って飲まれる「大福茶」。関西を中心に行われている新年のこの習慣は、千年以上前に始まったものです。
平安時代、疫病が流行っていた京都で、六波羅蜜寺(ろくはらみつじ)の空也上人(くうやしょうにん)が街頭で祈祷し、人々にお茶を振る舞ったところ、疫病が収まったという出来事がありました。その後、時の村上天皇が年始にお茶を飲まれるようになり、その習慣が庶民にも広がったものが「大福茶」となったといわれています。
年の初めにくんだ新しいお水を沸かしお茶をいれ、昆布と梅干しを入れた器でいただく「大福茶」。煎茶の「大福茶」も多いのですが、丸八製茶場の「大福茶」のお茶は、もちろん焙じ茶(「献上加賀棒茶」)です。
琥珀色のお茶の中に美しく結ばれた昆布と梅干しが佇む様子はどこか愛らしく、新しい年にほっこりとしたひとときを運んでくれます。
一つ一つ丁寧に結ばれる
結び昆布。
丸八製茶場の「大福茶」に使われている昆布は、100年以上の歴史を持つ大阪の昆布専門店 こんぶ土居の北海道産真昆布。梅は、昔ながらの製法を続ける和歌山県の三幸農園のもの。どちらも、添加物を一切使うことなくつくられたものです。そして、丸八製茶場のこだわりは、使用する素材だけでなく、その美しさにもあります。
まだまだ暑さの残る9月。丸八製茶場に、昆布の箱が届きます。中に入っているのは、大きな大きな真昆布です。
この昆布をまず12cm角に切り、その後、繊維に沿って結びやすい細長い形状に切っていきます。作業は、紙を切る時に使われる裁断機で行います。丸八製茶場には、「大福茶」のための昆布専用の裁断機があります。美しく結ぶために、できるだけ平たい部分を、しかし極力素材を無駄にすることなく、切っていきます。
切った昆布は、そのままではうまく結ぶことができません。結ぶ作業の2日ほど前に、お酢を昆布に吹き付けて柔らかくしておきます。昆布に吹きかけるお酢は、おいしくて安全なお酢づくりを貫く飯尾醸造の「純米富士酢」です。ここまで下準備をして、やっときれいに結ぶことができるのです。
いよいよ昆布を結ぶ作業に入ります。一つ一つ手作業で行われるこの作業には、地元石川県加賀市のシルバー人材センターの方たちの手を借りています。現場には丁寧な指示書が置かれていますが、以前から手伝っていただいている方が新しく入った方にコツを教える風景も見られます。
なかなかうまく結べず、はじめその難しさに涙した社員もいるほどの作業ですが、驚くほどに均一に美しい昆布ができあがるのは、地元の方たちの手の器用さがあってこそかもしれません。
しっとりと、かたちよく。
ふくよかな梅の佇まい。
一般的な「大福茶」には乾燥した梅が入っていることが多いのですが、丸八製茶場の梅は、果肉をおいしく味わっていただける、ふっくらとした状態にこだわっています。そして、梅をこの状態にするのにも、一手間が必要です。
入荷した梅は、梅酢に浸かっており、丸八製茶場が理想とする梅の状態からは少し柔らかい状態です。また、梅酢が多く含まれる梅はパッケージに入れた時、袋にかかるわずかな圧力で梅酢が滲み出てしまうのです。
しっとりと乾燥しすぎず、柔らかさは保ったまま。この状態にするため、入荷した梅は、容器から取り出し、平たい板の上に一つ一つ並べて理想の状態になるまで乾燥させます。大量の梅が並ぶ風景は、丸八製茶場のこの時期の風物詩です。
箱から出した、その姿にも
こだわって。
それぞれの工程を経てできあがった梅と昆布。これらを袋の中に入れる、入れ方にも細かなこだわりがあります。袋の中でそれぞれが動きづらいように、さらにかたちの美しさを損なうことのない量の空気が含まれるように、工夫されているのです。
芳ばしい焙じ茶の味わいはもちろん、パッケージやその中での佇まい、器の中での美しさにまでこだわった丸八製茶場の「大福茶」。新しい一年の始まりに、ぜひお楽しみください。
*「大福茶」は予約販売の商品です
*季節・数量限定商品です。
限定数に達した場合は期間内でもご予約を締め切らせていただきます