丸八製茶場の人

Jさん

2024年2月1日公開

丸八製茶場のお茶は、丸八製茶場の人がつくっています。
丸八製茶場は、丸八製茶場の人でできています。

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Jさん品川スタッフ

Jさんはもともと地元で造船の仕事をしていましたが、上京して丸八製茶場へ入社し、品川店のスタートアップメンバーになりました。現在は品川店の店長です。趣味は美術館や博物館の特別展示巡りで、「地元では行けないものがたくさんあって、東京はいいです!」と話します。かわいいものが好きで、好きなキャラクターのグッズを持っているお客様がいると思わず笑顔になるそう。

「これから日本茶は盛り上がりそう」という
ビジョンを持って、丸八製茶場を志望。

店長らしい落ち着いた雰囲気の中にも、柔らかな口調のJさん。「ずっと島で育ち、働いてきたので、東京で働いてみたくて」と、上京のきっかけを話してくれました。丸八製茶場を選んだのは「外国人観光客が増えるだろうといわれていた時期だったので、日本茶はこれから盛り上がるだろう、と」。

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Jさんが店長を務める「丸八製茶場 エキュート品川店」は、石川県外では唯一の丸八製茶場の直営店舗です。*2023年12月時点

また「お茶をいれる所作のかっこよさ、みたいなものに憧れもあったかもしれません」とも。とはいえ、店長になるまで勤めるとは考えておらず「気がついたら、もう6~7年ほど続けています。居心地がいいのでしょうか」と、笑顔で話してくれました。

入社して驚いた、
お茶の味へのこだわり。

入社した頃にJさんが驚いたエピソードがあります。「エキュート品川店では、水出しのお茶をつくる際に浄水器を通した水を使う予定だったのですが、試作でつくったお茶を飲んで、これはちょっと厳しい、となって」。北陸とは違い、東京都の水でいれた焙じ茶はお客様に提供するのには難しい品質でした。

実家では、日常的にお茶を飲んでいたものの「そのときは入社したてだったので、お水で味わいがそんなに変わるの?と驚いた」というJさん。結局、沸騰させない水を使う水出しのお茶は、ミネラルウォーターを購入してつくることになりました。「今では違いもわかるのですが、そのときは新鮮な驚きを感じましたね」と語ります。

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開店前のお客様を迎える準備は、水出しのお茶の仕込みなどもあり、少しだけ慌ただしい時間。

Jさんが好きなお茶は、毎年9月に発売される「焙茶noma」。入社当時は「マリコロード」という商品名で販売されていました。「はじめて飲んだ時、こんな日本茶があるんだ!ってびっくりしました。僕が知っている日本茶とは全然イメージが違って」。今では「他のお茶のお店で新商品が出ていると、勉強のために買って飲んでみたりして、お茶の味にもかなりうるさくなりました」とのこと。

商品企画にも参加。
現場の声が、新しい商品に。

Jさんはエキュート品川店の店長を務める傍らで、商品企画にも参加しています。会議は丸八製茶場の本社がある石川県で行われるので、エキュート品川店から数分の場所にある丸八製茶場のシェアオフィスからオンラインで参加します。「お店でお客様が商品を選ばれた理由から、商品について考えます。店鋪スタッフならではの現場の意見をいかしてもらえるのが、いいですね」。

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お客様の声は、商品づくりをするための重要な情報です。丸八製茶場では、多様な視点からの意見を集めるため、所属する部署を問わずに、あらゆるプロジェクトへの参加を促しています。

「お店ではどうしてもルーティンワークになりがちなのですが、いつもとは違う視点の仕事があると、やる気が出ます」とも。店頭での業務を違う視点で見ることは、モチベーションアップにもつながっているようです。「丸八製茶場では入社後、どの店舗でも石川県の本社で一定期間研修を行います。オンライン会議では、その時に知り合った石川県の社員と交流できるのもうれしいです。他の社員にも、こういう機会をたくさんつくってほしいなと思っています」と、店長ならではの言葉もありました。

誰かの毎日の、ほっとするひとときに。
品川店ならではの喜び。

ビジネス街の真ん中に位置し、新幹線の改札にほど近く、イートインコーナーもあるエキュート品川店のお客様は、さまざま。「お土産物としてお茶を買っていかれるお客様も多いですが、夕方は、夕食のお買い物をされる方で通路に人が増え、来店される方も多くなります。そのタイミングが一日の中で一番忙しいでしょうか」。

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新幹線でおいしい焙じ茶を飲むために、急いでテイクアウトを頼まれる方も多いとか。「できるだけ事前に所要時間をお伝えするようにしています。ちなみに水出しだと、早くお出しできますよ」。

「テイクアウトは一日中あります。飲み物を買ったお客様が、一口飲んで『おいしい!』と言ってくださったりすると、うれしいです」。また、出勤前に毎朝のように立ち寄ってくださるお客様もいて「誰かの毎日のリズムの中に、丸八製茶場の焙じ茶がある。そう感じられるのも喜びです」と、日々の仕事のなかにいろいろな喜びを見つけているJさん。

「品川店では月に何度か、スタッフがメニューを考えているアレンジティーを提供しています。それを楽しみにしてくださっているお客様も多いです。お客様が写真を撮ってくださると、とてもうれしいですね!」と話してくれました。

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駅という場所柄、急いで提供することも多いテイクアウトのお茶ですが、一杯一杯、沸かしたてのお湯でお出ししています。

「本当は、お客様ともっとお話したいですね。電車の時間を気にする方も多いですし、今は商品をお渡しするときにお声がけできるくらいなのですが」と語るJさん。そんな気持ちが少しずつかたちになっているからでしょうか。エキュート品川店で行った撮影中に店を訪れたお客様は、それぞれにお買い物を楽しみ、焙じ茶の香りと味わいにリラックスしていて、忙しない駅の中にJさんがつくりあげた憩いの空間が広がっているのが感じられました。

(聞き手:阿部希葉)