ものづくりのこと

「焙茶noma」のパッケージ

2023年10月18日公開

365日、いつでも焙じ茶の「旬」を楽しんでいただきたい。
「焙茶noma(ノマ)」は、そんな思いから生まれたシリーズです。

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焙じ茶のおいしさ、楽しさを、
すべての人へ。

茶葉からお茶をいれて日常的に飲んでいる、という方は、どれくらいいらっしゃるでしょうか。最近では、ペットボトルのお茶が広く普及しているため、「お茶」といえばそちらを連想される方も多いかもしれませんが、ペットボトルのお茶が開発されたのは、1990年代のこと。「お茶」と「人」との関係性の中で、茶葉の存在が薄れてきたのは、この30年ほどのことなのです。

そんな中で、「焙じ茶」と「人」との関係性を新たに捉え直してみたい。そんな思いから、「焙茶noma」の開発は始まりました。

開発を進めていく上で大切にしたことは、「焙じ茶の『旬』をつくる」こと。煎茶の「旬」として、茶摘みの時季、そして新茶が出回る時季である4月下旬から6月頃をイメージされる方は多いでしょう。しかし、焙煎したてがおいしい焙じ茶なら、煎茶のように特定の時季に縛られずに、1年中、わくわくするようなものを提案できるはず。

「旬」を感じていただけるような原料を厳選し、焙煎でその魅力を引き出す。そうしていくつもの「旬」をつくっていくことで、焙じ茶の可能性を広げ、もっとお客様に焙じ茶を楽しんでいただくことができるかもしれない。

「旬」といえば、春夏秋冬の4つの季節がまず思い起こされます。しかし、丸八製茶場の「旬」の提案は、もっと自由なものでありたいという思いがありました。いわゆる春夏秋冬ではないかたちで、お客様それぞれの「旬」を楽しんでいただき、さらにその「旬」が共有されるような、新しいコミュニケーションを生み出したい。

「noma」は、人、時間、空間「の間」を
満たす焙じ茶。

お茶は、時間と空間を通して心を満たしてくれる存在である、と考えることができます。そして、お茶は、人と人の間に置くことで、コミュニケーションを生むことができるものでもあります。いろいろなもの「の間」にあって、その間を満たし、新しいものを生んでくれるもの。「noma」という名前は、あるスタッフの提案から生まれました。そして、そこからチームで「焙茶noma」についてアイデアを膨らませていったのです。

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パッケージのデザインを進めるにあたり、それまでの議論をまとめた企画書です。「noma」が生まれるまで、スタッフの間でたくさんの議論が行われました。

「noma(の間)」は、いわゆる春夏秋冬ではなく、もっと自由な「旬」を提案したいという丸八製茶場の考え方に合致するものでした。さらに、パッケージの表現から、受け手が自由に想像力を羽ばたかせることができるアイデアが生まれてきます。

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「焙茶noma」シリーズのパッケージに書かれている、書家の池多亜沙子さんによる墨象(ぼくしょう)の一つ。見る人がそれぞれに発想を広げることができるモチーフは、「noma(の間)」の自由さを感じさせます。

発売時からパッケージに使用されている墨象のモチーフは、「お客様にもっと多様なイメージを想像していただきたい」、という丸八製茶場のスタッフの言葉をきっかけに描かれたものです。抽象的なモチーフは、人にいろいろなイメージを思い起こさせます。「つららの氷が溶けて水がポタポタと落ちる様子」かもしれません。あるいは、「土から生えてきた芽」かもしれません。

変化を重ねたパッケージ。
グラデーションの採用で、さらにコンセプチュアルに。

こうしてできあがったパッケージは、2021年3月に発売した当初は、2023年現在のものと比べて、かなりシンプルなものでした。時節をイメージした2つの色合いと、墨象のモチーフは、まるでこちらに静かにその意味を問いかけているよう。リーフとティーバッグで変えたカラーリングは、あえて違う色を採用することで、季節を複層的に表現するものになっています。

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2021年3月に発売された「焙茶noma」。店頭でリーフタイプとティーバッグタイプのパッケージが並んだ時のコントラストが美しいパッケージでした。

一方で、「焙茶noma」のパンフレットやWebサイトでは、販売当初から、グラデーションのような色合いのビジュアルを使用しています。「~の間」「旬をつくる」といったコンセプトを表現するキービジュアルとして採用されたものです。

初年度を経た2022年、そのビジュアルを「焙茶noma」のパッケージにすることが決まります。グラデーションを使ったパッケージは、発売前にも検討され、見送られたものでした。しかし、発売後に「リーフレットと同じビジュアルをパッケージにしてほしい」というお客様の声をいただいたことが、リニューアルのきっかけとなりました。コンセプトとのより深い合致はもちろん、色から色への移り変わりは、春夏秋冬にとらわれない自由な「旬」の、躍動感にあふれたものになりました。

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2022年3月に発売された「焙茶noma」。手に取るだけでうきうきした気分になる、色鮮やかなパッケージです。

このグラデーションは、実は撮影された写真を使用しています。北岡稔章さんは、花などの自然物をあえてピントを合わせず撮影することで、色の変化が持つ美しさを取り出す作品をつくられている写真家です。「焙茶noma」のパッケージに使われているビジュアルは、ただのグラデーションではなく、北岡さんによって撮影された、自然から生まれた色の移り変わりなのです。

店頭に鮮やかな「旬」を。
さらに、新しい場所へ。

「焙茶noma」の味と香りが、飲んだ人のところにその時季の「旬」を運ぶように、「焙茶noma」が発売され、パッケージが店頭に並ぶと、場がぱっと華やぎます。いつも丸八製茶場にお越しくださるお客様に、ディスプレイで「旬」を感じていただける、うれしいひとときでもあります。

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9月に発売される「焙茶noma」は、色づき、深まっていく季節をイメージした色彩に。年に数度発売される、そのタイミングに合わせ、写真からビジュアルをつくりあげています。

「焙じ茶の『旬』」と、「焙じ茶」と「人」との関係を新たに生み出すことを目指して開発された「焙茶noma」。発売後も、オフィシャルサイトやインスタグラムで、いろいろな焙じ茶の楽しみ方を提案しています。

いつ、どこで、誰と。今までお茶がなかった「間」に、「焙茶noma」を置いてみることで、その場所や関係に、ほんの少しのよい変化を感じていただきたい。
緊張感のある仕事の席に、華やかな香りのお茶を出してみたら。持ち歩いているペットボトルのかわりに、自分でいれたお茶を持って出かけたら。少しだけリラックスできたり、特別な気分になれたりするのではないでしょうか。「焙茶noma」によって、くらしの中にちょっとした特別が生まれる、そんな存在でありたいと思います。

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2023年3月に発売された「焙茶noma」では、マイボトルにいれた焙じ茶とのお出かけをご提案しています。

身近な自然の変化、街をいく人のファッション、朝に窓を空けた瞬間に感じる空気の感触…
忙しないくらしの中で、少しだけ感覚を研ぎ澄まして、自由に見つけ、楽しみ、共有する「旬」。
どこかでこのパッケージを見かけたら、あなたらしい「旬」の味わい方の一つに、ぜひ「焙茶noma」を、加えてみてください。

*「焙茶noma」は、期間・数量限定商品です。
  販売時期以外、また限定数に達した場合は販売を行なっておりませんので、ご了承ください