スタッフコラム
食を学ぶ会
2022年2月14日公開
丸八製茶場では、お茶以外の食品についても勉強する機会を設けています。
今回は、その一部をご紹介します。
このおいしそうな食べ物は
何でしょう…?
丸八製茶場のオフィスにあるキッチンは、一般の企業より活躍の場が多いです。
平日の朝には、社員全員分の焙じ茶をいれます。新しいお茶のいれ方の研究やお茶の選定、官能評価などでもキッチンは大活躍するのですが、今回のようにさまざまな食品の試食に活用されることもあります。
新型コロナウイルスの流行が落ち着いていた春のある日、10人ほどの社員が石川県金沢市にある丸八製茶場のオフィスに集まりました。目的は、ある食品の体験会です。
このおいしそうな食べ物の正体。正解は、「魚のすり身の揚げ焼き」です。
丸八製茶場の食についての体験会で、社員が集まってつくりました。
使ったのは鈴廣かまぼこの「万能すりみパウダー」です。
実はこの体験会は、新入社員向けに行われた「かまぼこの食べ比べ」の際に「おいしい!」と好評だった鈴廣かまぼこさんの商品を使い、社員の勉強と懇親の機会をつくろうと企画したものです。
水にさらさらの状態のパウダーを入れ、練るだけで魚の生すり身ができあがる様子は楽しくも不思議で、思わず声をあげる社員も。できあがった生すり身を、今回はごま油でシンプルに揚げ焼きにしました。
すり身の揚げ焼きと合わせるお茶は、社員それぞれが持ち寄りました。食べながら、自然と会話が生まれます。話題は、お茶についてはもちろん、身につけていたエプロンから、遠く宇宙の話まで。普段の仕事とは遠いように感じる話でも、いずれ次の企画のヒントとなることもあるかもしれません。
一見あまり焙じ茶と関係がないように思える今回の魚のすり身の会ですが、これも、丸八製茶場の幅広い食品についての学びの一環です。
体験から育つ味覚。
繊細な違いを感じる力。
食の世界は広く、焙じ茶にもさまざまな種類があるように、同じ食品にもさまざまな種類があります。この違いを知ることは、自らの味覚を育てることにもつながります。
座学だけでは養うことができない、こういった感覚については、実際に食べて、飲んで、体験するのが一番。何より食べることを自ら楽しむことで、自分たちが提供する商品をお客様にどう楽しんでいただけるのかというアイデアが生まれる、ということを期待して体験会を行っています。
体験会では、食品の「原材料名」を必ず確認します。丸八製茶場が入会している「良い食品づくりの会」では、食品のおいしさと安全性の両立を大切にしています。実のところ、「原材料名」を見る前に食べ比べをした複数の食品のうちおいしかったものには、添加物が少ないものが多いのです。
今回の「万能すりみパウダー」の原材料は、その便利さのイメージとは逆に、魚肉、水あめ、食塩、砂糖と、とてもシンプルです。世の中の技術は進み、おいしさと便利さを兼ね備えた食品を添加物なしにつくることができるようになっています。今回は、その新しい事例を学ぶことができました。
こだわりの食材を使った
社員食堂「丸八食堂」。
食に関するイベントが多い丸八製茶場。
数年前には、社員のアイデアで期間限定の社員食堂「丸八食堂」が登場したこともあります。
「同じオフィスに勤めているのになかなか交流の機会がない」「ランチのメンバーがいつも一緒」という、社員の声を受けて登場した「丸八食堂」。全国のおいしい食材との出会いも、目的の一つでした。
ある日のメインの食材は、社員からの要望の声が高かった、新潟にある加島屋の「キングサーモン塩漬け」。お味噌汁に使う味噌は、石川県金沢市東山にある高木麹(たかぎこうじ)商店の杉桶(すぎおけ)味噌。具材のねぎやわかめも、石川県産のものを使いました。ごはんは「棒茶飯」。石川県輪島市産のお米を、丸八製茶場の献上加賀棒茶と石川県珠洲(すず)市の「珠洲の塩」で炊き上げました。
社員だけでなく、社員の家族も参加したこのイベントは大盛況。開かれた第二回ではテーマを「春」とし、食材も地域を絞るなど、少し難易度が上がりましたが、そこは食べることが大好きな丸八製茶場の社員、楽しんでメニューづくりを行いました。
新型コロナウィルスの影響で社員が集まる機会は少なくなってしまいましたが、第三回の「丸八食堂」開催に向け、社員のアイデアはどんどんたまってきているようです。
「丸八食堂」は、部署をまたいだ社員同士の何気ない会話から生まれ、開催されたイベントでした。この他にも「茶園 三畝」など、丸八製茶場は、社員の発案が全社規模の企画となることが多い会社です。
お茶や食、またそれらを楽しむ場について考えている社員のユニークなアイデアは、商品や店舗の企画にいかされることもしばしば。そんな裏話も、ぜひまたこちらのWebサイトでお届けできればと思います。