茶園 三畝(さんぽ)日記

茶摘みと茶揉み

2021年5月28日公開

丸八製茶場の焙じ茶は、全国の生産農家のかたが
大切に大切につくったお茶からできています。
茶園「三畝(さんぽ)」は、丸八製茶場がお茶づくりへの
理解を深めるためにつくった勉強用の茶園。
動橋(いぶりはし)の自然と、スタッフの奮闘をお届けします。

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4月中旬、朝7時すぎの茶園 三畝のチャの樹の様子です。

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これから新茶の時期を迎えるチャの樹の葉は、ピカピカと輝いています。

この日の石川県加賀地方の最低気温は1℃。この時期にしてはとても寒い朝で、太陽の光を浴びて草花に付いた霜が煙のように蒸散していく光景が幻想的でした。
茶園の茶葉にも朝露が降りており、いつもの水浴びの後のような水滴の付き方とは違った、自然現象が生み出す神秘的な風景に心奪われたのですが…なかなか写真では伝わらないですね。
ちなみにチャの樹をはじめ農作物には「霜害」が発生することがあるため、気をつけなければいけないのですが、目で確認できる範囲では被害はありませんでした。よかったです。

毎年、丸八製茶場では新茶の時期に茶摘みと茶揉み、そして製茶体験を行っています。今年は新型コロナウィルスの影響をかんがみ、限られた社員でこぢんまりと行いました。
今回はその様子をお届けします。

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摘み取ったチャの樹の「一芯二葉」の部分。これを煎茶にしていきます。

絶好の茶摘み日和の5月4日。摘み取りは社員5人で「一芯二葉」を意識して行いました。
チャの樹の枝の先端には、「芯」と呼ばれる、まだ葉として開いていない芽があり、その下に互い違いに葉がついています。「一芯二葉」は芯とその下の葉2枚のこと。一般的に、新茶はこの「一芯二葉」の部分でつくられます。

今回収穫できたのは「おくみどり」・「さきみどり」・「おくはるか」の3種類でした。こうして写真を並べてみるだけでも、茶葉のかたちや色に違いがあり、興味深いです。

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「おくみどり」+「さきみどり」。

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「おくはるか」。

今回、「おくみどり」と「さきみどり」はブレンドして、たくさん摘み取ることができた「おくはるか」は単体で、煎茶として仕上げていくことにしました。

煎茶づくりは、まず茶葉を蒸すところから始まります。茶葉が持つ酸化酵素を熱で不活性化させるためです。ちなみに、この酸化酵素による発酵をそのまま進めると、紅茶や烏龍茶になっていきます。

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「おくはるか」の茶葉を蒸しています。時間は1分30秒ほど。

次に、蒸した茶葉を温かく熱した焙炉(ほいろ)の上で揉み込みます。この作業はチャの表面を傷つけることにより、成分を抽出しやすくするためのものです。よく見る煎茶の茶葉が細長い棒状なのは、この工程によるものです。

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カセットコンロで熱した焙炉の上で、ひたすら揉んでいきます。

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丸谷社長も茶揉み作業に参加。

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揉み込みをはじめてから45分後の茶葉。だんだん煎茶らしくなってきました。

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さらに30分揉みました。開始から1時間15分後。だいぶ量が減ってきます。

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スタートから2時間、やっと完成。製茶前に144gあった「おくはるか」はなんと34gに!

ひたすらにお茶を揉んで2時間。やっとお茶ができあがりました。製茶後は、メンバーで試飲を行います。

丸谷社長が製茶を担当した「おくみどり+さきみどりブレンド」は、若干青みが目立つ印象があったのですが、「飲みやすさにつながる青み」、「青みとは対照的な甘さも感じる」といった感想もあり、飲んだ瞬間から自然の恩恵を受けて育った茶葉の旨味をしっかりと感じられる茶葉になりました。

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製茶後の「おくみどり+さきみどり」。 しっかりとした見た目からは煎茶の風格が感じられます。

わたし長崎が担当した「おくはるか」は「新茶らしいみずみずしさ」が感じられ、この品種の特徴である「桜葉」の香りがするといった声もあがっており、我ながら良い仕上がりになっているなと思いました。愛らしい味わいのある整った味で、おいしくいただけました。

今回は社員限定で行った茶摘みと茶揉みのイベントですが、来年以降、新型コロナウィルスの状況が落ち着いたら、お客様もお招きして開催したいと思っています。
楽しみにしていてくださいね!

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根っからのお茶好きです!

茶園スタッフ長崎。本業は製造課スタッフ。
お茶とマラソンをこよなく愛する33歳。