石川県のお正月と、大福茶
2023年11月13日公開
お正月の風習は、地域ごとに特色が出るもの。
石川県のお正月の風物詩と、
丸八製茶場の「大福茶(おおふくちゃ)」についてご紹介します。
忙しくも楽しい、
新しい年を迎える準備の季節。
寒さにも慣れ、仕事でも家庭でも、年の瀬に向け慌ただしくされている方が多いのではないでしょうか。長かったようで短かった一年。あなたにとって2023年は、どんな年でしたか?
年末の忙しさの一つに、新しい年を迎えるための準備があります。くらしのかたちが多様化している中でも、季節の行事は大切に楽しみたいもの。お正月の風習は、地域によって少しずつ違いますが、その背景には、それぞれの地域が持っている歴史の違いがあります。
今回は、丸八製茶場の本社がある、石川県のお正月の風物詩についてご紹介します。
伝統の食べ物で迎える
石川県のお正月。
石川県のお正月に欠かせない食べ物。その中でも、「福梅(ふくうめ)」はお正月にいただくお菓子の代表格です。梅といっても、梅の味のお菓子ではなく、梅の花の形をした和菓子のこと。この形は江戸時代の藩主前田家の家紋「剣梅鉢(けんうめばち)」に由来します。
米粉を練って焼いた皮に餡を挟んだ「福梅」は、日持ちさせるために水あめを練り込んだ、少し硬さのある甘めの餡が特徴。お店によって食感が異なるため、「福梅は、あのお店で」と決まっている家庭も少なくありません。
新年のどのタイミングで食べるという決まりはありませんが、いつの間にかお茶と一緒に「福梅、食べようか」となるのが、石川県のお正月です。
江戸時代から続いていると言われる「治部煮(じぶに)」も、お正月の定番の一つです。小麦粉をまぶした鴨肉を入れとろみがついた煮汁は、寒い北陸の冬に体を温めるのにぴったり。「すだれ麩」と呼ばれる、石川県ならではの麩が入るのも特徴です。麩は一般的に小麦粉を原料としますが、「すだれ麩」には米粉も使われており、高野豆腐のような食感があります。
新しい年のこれからを占う
愛らしいお菓子。
石川県のお正月のちょっとした楽しみが、「辻占(つじうら)」というお菓子です。このお菓子も江戸時代から続くといわれる歴史があり、年末になると県内の和菓子店だけでなく、デパートやスーパーなどに並ぶ、この時期の風物詩です。
このお菓子は食べ方に決まりがあります。たくさんの辻占の中から3つを選び、それぞれの中に入っている紙を取り出します。3枚の紙の内容を組み合わせて、その年の運勢を占うのです。紙に書かれている内容は、ことわざであったり、1枚では謎のような言葉であったり、つくり手によってそれぞれで、選ぶ楽しさにつながっています。
実はこの占いは、「辻占」の語源となった古い占いの方法からきています。平安時代、「辻占」は、街の四つ角で行われ、そこを通った人々の会話の断片をヒントにした占いでした。その会話を紙に書き記したものが、このお菓子の原型と言われています。
石川県では、家族で集まって辻占をいただき、お互いがひいた言葉の解釈を楽しむのがお正月の風景。普通の占いと比べて、自由に想像を膨らませられるのも、人気の秘密かもしれません。
新年の健康を願う「大福茶」を、
献上加賀棒茶で。
丸八製茶場では毎年、新年を祝うお茶をご用意しています。「大福茶」は、平安時代に空也上人(くうやしょうにん)が道で振る舞い、疫病の流行が治まったとされるお茶から生まれたもの。その後、年の初めに飲むお茶として庶民に広まりました。丸八製茶場の「大福茶」では、芳ばしくすっきりとした味わいの献上加賀棒茶を使用しています。
「大福茶」
https://kagaboucha.com/cat1/42
「大福茶」は、年の初めにくんだ新しいお水を沸かしたお湯でいれるもの。器に長寿にあやかる梅干し、「睦みよろこぶ」にちなんだ結び昆布を入れてお茶を注ぎ、家族の無病息災を祈っていただきます。
丸八製茶場の「大福茶」のティーバッグのタグには、辻占をイメージした言葉が添えられています。大切な人達が集まって過ごすお正月のひとときを賑やかに演出したい、そんな思いから生まれた工夫です。
丸八製茶場では、毎年11月から「大福茶」の予約を受け付けています。石川県のお正月の楽しみをお裾分けできる縁起物。ギフトや手土産として、大切な方へのご挨拶にいかがでしょうか。
*「大福茶」は予約販売の商品です
*季節・数量限定商品です
限定数に達した場合は期間内でもご予約を締め切らせていただきます